宮部みゆき

「孤宿の人」 下

主人公「ほう」の名前の漢字の変遷に泣きたいくらい嬉しくなった。 下巻の半ばごろから、タイトルとなっている孤宿の人の謎が少しずつ判明していって・・・。領民たちの中にあって、女でありながら引き手(岡引のようなもの?)見習いとして働いていた「宇佐」…

「孤宿の人」 上

タイトルがぴんとこないまま読み進めていました。 江戸時代の話ですが、今回は江戸の街ではなく讃岐にある藩での出来事です。江戸からこの藩へと流罪になった人をとりまく様々な出来事。 実在する丸亀藩をモデルとしているそうですが、私は知らなかったです…

「天狗風 −霊験お初捕物控 2−」

時代物+超能力物の合わせ技。お初大活躍です。能力としてはサイコメトリーなのですかねー。江戸物としては「ぼんくら」の方が好みですね。 さて、この作品にて、最新作「孤宿の人」以外はほぼ宮部作品を読み終わったと思います。後は高校時代に読んだけど記…

「淋しい狩人」

古書店を経営するおじいちゃんと孫が主役の短編集。本の中で本が扱われている作品はかなり好み。とはいっても知らない作品だったので、今度読んでみたいと思う。→「歯と爪」「赤ひげ診療譚」 こんな素敵な古書店が近くにあったら良いだろうなー、と思う。

「日暮らし」下

弓之助とおでこが、同心と岡っ引になったら、活躍しまくりそうですね。 宮部さんが描いてみせてくれている江戸は、人情に溢れてて、親分と子分がいて、親方と弟子がいて・・・情報も人と人を通して広がっていて。人のつながりを見ているとなんだかほっとしま…

「日暮らし」上

「ぼんくら」に続き、同心・井筒平四郎を中心に展開されています。 「おでこ」の悩みとは・・・。葵の意外な一面。そして日暮らし前編。登場人物が好感が持てる人たちが多いと、作品も素敵になるのだなぁ、と思います。

「夢にも思わない」

「今夜は眠れない」の続編。 少年の正義感では許せなかったんだろうなぁ・・・と。 全てを知ったうえで、親友にも話さず自分の胸の中だけでとどめようとした島崎。親友の態度に些細な違和感を感じ、自分で解明していく主人公。 なかなかの名脇役である警部さ…

「スナーク狩り」

なんか、こう、後味が微妙・・・。 複数の舞台で物語が進行していって、時間の経過で交錯しあう様子が読んでいて非常に面白かった。

「心とろかすような -マサの事件簿-」

短編が5つ。このうち書き下ろしであるお留守番の話が、人間社会に暮らす動物たちとの交流が生き生きとしていて、非常に好み。 今朝、散歩している犬が庭先の犬に向かって軽く吼えているのを見て、情報交換しているのかな、何話しているのだろう、とつい考え…

「ICO 霧の城」

ゲームの小説化? ゲームのほうは全然知らなかったりする。 「ブレイブストーリー」からさらにファンタジー色を強くしたような感じ。 場所と時間の移動がほとんどないから(追憶シーンをのぞく)、その分深く深く内面に入っているように思う。 んー、でもス…

「堪忍箱」

「取り残されて」の江戸版のような作風。時代は変われど人は変わらないのだなと当時の風俗を知りながら読めて楽しかったです。

「ぼんくら」

江戸時代の長屋の様子が垣間見られて勉強になりました。 弓之助が大変よろしいです♪ 主人公の人柄のおかげで陰惨な事件も人情話になっています。

「パーフェクト・ブルー」

デビュー作ですねー。前から読みたいと思っていたのですが、ようやく図書館で文庫を発見。犬の視点からの話。最後の伏線のような会話が気になるのですが、「心とろかすような」に続いているのかな?

「地下街の雨」

短編集。怖いのあり、温まるのあり、と。描かれている人間の感情は共感できるものも多く、だから、宮部さんの小説は読みやすいんだろうな、と思う。

「ステップファザー・ステップ」

いいなぁ、これ。読んでて幸せになれる。ジャンルはクラッシュコメディ?とかいう良く知らない言葉のようですが、楽しい。茅田砂胡の「桐原家の人々」とかがもしかして同じジャンルなんだろうか? 最終話をなんだか昔読んだことがあるような気がしてならない…

「今夜は眠れない」

主人公が少年。主人公の友人がかなり好みだ。なんとなくズッコケシリーズのハカセを思い出す。ハカセよりしっかりしてて上手っぽいけど。 宮部みゆきの描く子供をみていると、自分の子供時代を思い出す。あのころに考えていたこととか。子供は大人が考えるよ…

「誰か」

やっぱり面白い。この作者の本は読んで外れた、と思ったことがないです。さすが。もちろん好みによって合う合わないはあるのだけれど・・・。 主人公とその周りが好ましい性格で、読んでてほんわかと幸せになりました。あと、懐かしい作品にも出会えた。 読…

「かまいたち」

江戸時代シリーズの初期短編集。宮部さんの描く江戸時代物は好み。 宮部作品の中では一番好きなのは「蒲生邸事件」です。この作者の作品は何を読んでもどんどんストーリーに引き込まれますが、江戸時代物は人情にあふれてて、生き生きしているのが好きです。…