「壬生義士伝」 下

壬生義士伝 下
吉村は、岩手南部藩の脱藩志士でした。そのため、戊辰戦争での岩手の立場というのも作品中でかなり語られます・・・。「蒼穹の昴」で、会津での戦について語ったおばばの「母が子を殺し、祖母が母を殺し、祖母は首をくくるほどのひどい戦」という台詞が思い出されて・・・。
秋田藩が裏切り者として作中で何度も言われていて・・・なんだか居たたまれないですね。そういえば、福島出身の先輩に秋田出身だといったら「裏切り者ー」と言われたのは今でも鮮烈な思い出です。・・・その先輩が特殊なのか、それとも福島の人は意外に根に持っているのか・・・。
秋田の博物館で戊辰戦争の戦場跡について展示されていたのを見たことはありますけど、なんか、ずいぶんと後味の悪い戦だったんですね・・・。
原敬が初の平民宰相?というくだりとか、武士の間でも足軽武家の間には越えられない壁があったこととか、なんだろう・・・身分というものについて、近藤や斉藤がいかに足掻いたかというのが聞き語りのなかからも、ひしひしと伝わってきて、切ないです。