浅田次郎

「壬生義士伝」 下

吉村は、岩手南部藩の脱藩志士でした。そのため、戊辰戦争での岩手の立場というのも作品中でかなり語られます・・・。「蒼穹の昴」で、会津での戦について語ったおばばの「母が子を殺し、祖母が母を殺し、祖母は首をくくるほどのひどい戦」という台詞が思い…

「壬生義士伝」 上

吉村貫一郎という、あまり聞かない名前の新選組の隊士が主役というか・・・。維新を生き残った隊士たちに、吉村貫一郎とはどんな人物だったのか聞き語りをしていくという形式をとった作品です。 新選組の生き残りといえばあまりに有名な斉藤一がすぐに思い浮…

「蒼穹の昴」 下

西大后って、こんな最近の人だったんですね。歴史の推移と、人々とのかかわりを見るにつけ、しみじみしてしまいます。李将軍がイギリスと交わした香港貸与の話を知り、歴史って言うのは間違いなく今に続いているのだ、と感動します。

「蒼穹の昴」 上

清時代終末の話。阿片戦争やら日中戦争やら太平天国の乱やら、歴史の教科書で見た名前がたくさん出てきます。 こうして物語として見せてもらうことで、歴史っていうのは非常に面白いものに変わる。

「日輪の遺産」

面白い(interesting)んだけど、読み難いのは文体が古風なせいなのでしょうか・・・。でも、作中に度々現れる漢字カナ文(?)、段々慣れてきました。やはりあれでしょうか。量を読むことによる効果でしょうか。 謎の老人が残した二冊の手帳に翻弄される現代と、…

「輪違屋糸里」上下

京に住む女の視点から、新選組の上京から芹沢暗殺までを描いた作品。 島原と吉原の違いがいまいち分かってなかった私にとって非常に勉強になりました。京の町の人々の視点から描かれているので、より一層当時の新選組の姿がまざまざと思い浮かびました。

「地下鉄に乗って」

なんともやるせない・・・。巻頭に「すべての地下鉄通勤者に捧ぐ」と書いているけど、50歳以上の、と付け加えていい? 地下鉄開通当時を生きて知っている人ならたまらなく懐かしい場面が随所にある。若い世代にとっては、あぁ、こういう時代だったのか・・…

「きんぴか」

浅田次郎作品、実は初読。おもしれぇ! 13年服役してたやくざと、脱税犯と、自衛隊あがりの3人の犯罪者が、定年退職後の刑事と一緒になって色々やるといったストーリーなんですが、これがほんと、おもしろい! 義理人情あり、ドンデン返しあり、はちゃめ…